ポレポレ15 – 名古屋大学

ポレポレ

[1] ‘Popular’ music can be said to comprise all the various kinds of music that might not be considered under the general heading of ‘serious’ or ‘classical’ music. [2] The division between the two worlds has always been fairly clearly defined, with those active in one sphere rarely trespassing in the other, and never more so than today, when, instead of the distinction being based on fluctuating artistic ‘taste’, it is fairly firmly based on economic considerations. 

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【第1文】文構造を分析してみた

‘Popular’ musiccan be said to compriseall the various kinds of music <関代Ⓜ that might not be considered (Ⓜ under the general heading <Ⓜ of ‘serious’ or ‘classical’ music>)>.

[訳してみた]

大衆音楽は <(<「真面目な音楽」すなわち「クラシック音楽」という>一般的な項目の中に入るとは)考えられないであろう> あらゆる種類の音楽から成っていると言っても過言ではない。

[気をつけたところ]

最初,ペンギンには全く歯が立たない英文でした。

まず初っ端から,popular music, serious music, classical music の訳語がわかりませんでした。

popular music はそのままポピュラー音楽となっていましたが,大衆音楽やポップミュージックという訳が許容されるかはわかりません。

serious music はポレポレでは芸術音楽,classical music は古典音楽と訳されています。さすがに,「真面目な音楽」では芸がないなと思いつつも代替案が思いつかず。

さらに,この2つをつないでいる接続詞 or は「または」ではなく,言い換えの「すなわち」という訳であるというところも間違えてしまいました。「芸術音楽,すなわち古典音楽」だったんですね。

「can be said to 不定詞〜」の部分は「〜すると言われることができる」という直訳から「〜すると言ってもいい」➡「〜すると言っても過言ではない」という訳にしました。 It can be said that S’V’〜 (〜だと言える)というこれに似た表現もどこかで見ました。

大衆音楽はあらゆる種類の音楽から成り立っていると言ってもいい。ここまでは訳語の問題なのですが…。ここから先が全く歯が立ちませんでした。

ペンギン
ペンギン

続きの関係詞の部分もお手上げです

まず that は何の that なのか識別しなくてはなりません。

that の直後に might not be considered という動詞が続いています。ということは主語抜けている不完全文。不完全文が続く that は「関係代名詞」です。そしてその先行詞は music だろうな,というところまでは何とかできました。どんな種類の音楽か that以下の関係詞の節が説明するのでしょう。

しかし that 節の中, be considered と under〜 の繋がりが全くわかりません

本当に全くわからない。5分くらいぼーっとしてしまうくらい。

何も打つ手立てなく,ぼんやりと consider を辞書で引くと consider O (to be) C または O (as) C(OをCと考える/みなす)という第5文型の欄が目に付きました。これが解決の糸口になりました。ここから変な話が始まりますが聞いてください。

ペンギン
ペンギン

Ⓢ We Ⓥ consider Ⓞ Shakespeare Ⓒ (to be) a great poet.

へぇ〜 consider は 第5文型を取れるんだ。じゃあすごく変な例文だけど,極端な話…

Ⓢ I Ⓥ considered Ⓞ you Ⓒ under the bridge (あなたが橋の下にいると思った) これも文型上は可能なの?

いや・・・たぶんっていうか絶対,意味的にダメなんだろうけど,考え方はこれです。

ここはホントに全く歯が立たなかったので,「ん!?もしかして」と,藁にもすがる思いだったことが伝わっているでしょうか?

music might not be considered to be under~ と補ってみます。

受動態だと分かりづらいです。なぜなら,能動態の目的語が受動態だと主語になってしまって前に出ているから。便宜上,They とか People とか 適当な主語を置いて能動態に戻します。

ペンギン
ペンギン

They might not consider music to be under〜

consider A to be under B というパターン。A が目的語で,under B が補語と考えれば「A が B の下に いる/ある と考える」っていう訳になるじゃん! さっきの不自然極まりない例文です。

ということは,「音楽が〜の下にあるとは考えないかもしれない」という訳が出てきました。

話を戻します。

that節 は関係代名詞の節で,先行詞は music なので,どんな music かの説明を that節でするということでした。

ということは,「〜の下にあるとは考えられないであろう ➡ 音楽」という訳でいけそうです!

under を「〜の下に」という直訳ではなく,音楽のジャンルの話なので「〜中の入る」と訳すと,「〜という一般的な項目の中に入るとは考えられないであろうあらゆる種類の音楽」という訳に至りました。

いや〜激ムズでした。ライオンマークですが,本当にライオン10匹分くらいのレベル。

【第2文】文構造を分析してみた

The division <Ⓜ between the two worlds>has always been fairly clearly defined, (Ⓜ 付帯状況 with {A: those <Ⓜ active (Ⓜ in one sphere)>} {B: rarely trespassing (Ⓜ in the other)}), and Ⓥ never φ (Ⓜ more)so (Ⓜ than today), <関副 Ⓜ when, (Ⓜ instead of the distinction <Ⓜ being based on fluctuating artistic ‘taste’>), ⒮ it ⒱ is fairly firmly based (Ⓜ on economic considerations)>

[訳してみた]

{A(一方の領域で)活躍する人たちが} {B(もう一方の領域に)侵入することは滅多になく}2つの世界の区別はかなり明確にされてきたし,その区別は今日ほど明確に区別されていることはなかった(=今日ではこれまで以上に明確に区別されている)。そして今やその区別は,(変動する芸術的な嗜好に基づいた区別ではなく)経済的な理由に基づいている。

[気をつけたところ]付帯状況のwith・関係副詞の非制限用法

やはりここも難しいです。さすがライオンマーク。ペンギンは喰われてしまいそうです。

ペンギンが苦手な 付帯状況のwith が出てきました。富田の読解の原則では次のように書かれています。

with +名詞+@の形で名詞と@の間に S→P の関係(主述関係)がある場合,withは付帯状況を示す。また,この形の場合,@にはVing, Vp.p,形容詞,場所を示す副詞がくる。

(富田読解の原則 84/100)

ペンギンは「付帯状況のwith」が苦手なので,いつも 「with A + B」に直して「A が B の状況で」という訳を基本に考えます。

A には名詞,B には① 現在分詞 ② 過去分詞 ③ 形容詞 ④ 副詞句(前置詞+名詞など)が来ます。

最初,A が those,B が active という形容詞かなと思ったのですが,そうすると, those が何を指している不明で訳もうまくいかないため考え直しました

those を 「〜な人々」という代名詞で訳す場合は,どんな人々か後置修飾が必要ですよね。普通は関係代名詞で限定するのですが,省略されることも珍しくないようです。(例:Those present(出席者) は Those who are present の省略)

なので,those active in one sphere (一方の領域で活動している人たち)を Aと置きます。 すると,B は rarely trespassing in the other になります。one と the other の呼応表現もヒントになりました。付帯状況のwithの部分は「一方の領域で活躍している人がもう一方の領域には滅多に侵入せずに」という訳になります。

まだまだ文は続きます。今度は接続詞 and 以降の後半部分。

まず,never の後ろは been の省略。これは問題ありません。主語も前節と同じなので省略と考えて,the division です。省略されて無い,ということは前と同じだということ。

省略箇所を補うと, the division has never been more so than today という文になります。so は代名詞で,ここでは補語だと判断しました。

「その区別は今日よりもそうであったことはない」 

駄洒落みたいですが,so は 「そう」で,「そう」とは何かというと,「明確に区別されている」ということです。だから「区別は今ではこれまで以上に明確だ」という訳になります。

today にカンマがあって when と続くので, 関係副詞の非制限用法 はすぐに判断できました。today 「今日」についての補足説明を加えます。 

しかし,when節の⒮ ⒱ がすぐに続かずに,instead of〜 という副詞句が挿入されるというイレギュラーが発生しているので,ここも慌てずに処理します。

さらにdistinction を修飾する現在分詞の限定用法も追い打ちをかけてきます。ですが,落ち着いて「はいはい」と <形容詞節>のカッコで括ると,ようやく it is という⒮ ⒱ が出てきてくれました。待ってましたっ。あとは,based on〜 の対比に気をつけて訳をしました。いやぁ,本当に手強かった。

【ボキャブラリ】語句まとめ

  • comprise 【動】〜から成る,〜で構成される
  • general 【形】一般的な
  • heading【名】表題・見出し・項目
  • division 【名】区別・分割・境界線 【動】divide
  • sphere【名】領域・分野 hemisphere 【名】半球
  • trespass【動】(不法に)侵入する
  • distinction【名】区別・他とは区別される特徴 ➡ 優秀性・卓越・著名
  • fluctuate【動】(上下に)変動する
  • taste 【名】嗜好・好み
  • consideration【名】考察・考慮すべき事柄・熟考

コメント

  1. […] 例題15(名古屋大学)付帯状況のwith・挿入の処理・動名詞の主語 […]

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