[1] However, I feel that the teacher’s role is more fundamental than the critic’s. [2] It comes down ultimately, I think, to the fact that his first obligation is to the truth of the subject he is teaching, and that for the reading of literature ever to become a habit and a pleasure, it must first be a discipline
慶応大学
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【第1文】文構造を分析してみた
(Ⓜ However), Ⓢ I Ⓥ feel [Ⓞ that ⒮ the teacher’s role ⒱ is ⒞ more fundamental (Ⓜ than the critic’s)].
[訳してみた]
しかし[教師の役割は教育評論家よりももっと根本的なところにあると]感じています。
[気をつけたところ]
1文目は特に注意事項なし。
強いて言えば,テーマが教育なので,critics を「批評家」とするのはどうかな〜と考えていたら,尾木ママの顔が浮かんで「教育評論家」と訳してみたことくらい。
あとは,fundamental の訳。ポレポレには「重要だ」とあるが,評論家よりも重要だなんて言ったら尾木ママが怒りそうなので「もっと根本的なところにある」としました。
学生時代は辞書の訳に乗っかった不自然な日本語で訳していましたが,文脈やテーマに合わせて適切な日本語を考えなきゃいかんな〜と40歳手前にして思うようになったわけです。
【第2文】文構造を分析してみた
Ⓢ It Ⓥ comes down (Ⓜ ultimately), (挿入Ⓜ I think), (Ⓜ to the fact) {同格 that ⒮ his first obligation ⒱ is ⒞ to the truth <Ⓜ of the subject he is teaching>}, and {同格 that (Ⓜ for the reading of literature ever to become a habit and a pleasure), ⒮ it ⒱ must (Ⓜ first) be ⒞ a discipline.}
[訳してみた]
私が思うにそれは,{教師の第一の職務とは,<その先生の教えている教科に関する>事実に対するものであり}{(文学を読むことを,いつか習慣と喜びにするためには)文学を読むことが最初は訓練でなければならないという}事実に最終的に行き着くのだろうと私は考えています。
[気をつけたところ]同格のthat・to不定詞の意味上の主語
主語が it で,動詞が comes ですね。come down to〜 「(結局)〜になる」「〜に帰着する」「〜に行き着く」という熟語は,come と down と to〜 という自動詞+副詞+前置詞句から「議論や熟考の末に〜に至る」というニュアンスが感じられます。
些末なことですが,文型分けは come down で群動詞の自動詞として扱い, to + 名詞の部分は修飾語句として扱いました。ultimately も副詞なので当然修飾語句で(Ⓜ)
突然 I think という S+V (節)がカンマにはさまれて出てきても,以下の原則に従って慌てずに対応できました。
挿入部分が接続詞を含まない「S+V」だけでできている場合,その「S+V」が全体の主節である。「S +V」の部分を文頭に移動し,その末尾に接続詞の that を補うと分かりやすい。
富田読解の原則 46 /100
この原則に則って,I think that it comes down ultimately to the fact that … という形で処理。つまり,和訳する時に「と私は思います」をつけるだけですね。
fact の うしろの that節が完全文なので,fact と 同格 の名詞節として処理します。
同格は文型上は前にある名詞と同格ですが,訳す時は形容詞節(関係詞)のように前にある名詞にかけて訳すので,実は最近まで同格節の存在意義が理解できず,関係詞節だと思っていた(そしてそれはそれで読む上で悪影響はなかった)くらいです。
同格の that節が,等位接続詞 and で繋がれて並列になっています。まず最初の同格節を見てみます。
his first obligation is to the truth of the subject he is teaching という節の主語は his first obligation です。 obligation の訳ですが,今回は教師の話ですので「職務」とか「職責」という言葉にしました。ポレポレには「義務」とありましたが,個人的に学校の先生の仕事に「義務」という単語のイメージが湧きません。
「教師の第一の職務とは to the truth of the subject he is teaching ですよ」という文ですね。
to the truth は文型上は前置詞+名詞なので修飾語句(Ⓜ)になるのでしょうけれど,この文が be動詞であることからも,ペンギンはこの部分を文章の補語 Ⓒ だと解釈しました。
he というのは 「彼」ではなく,「とある先生」のことですよね。subject he is teaching の部分は subject と he の間に目的格の関係代名詞 which / that の省略というのも問題なし。訳は「教師の職責とは,その先生の教えている教科に関する事実に対するものである」となります。
問題は次の同格節ですね。
どうして毎回 to 不定詞の意味上の主語に気付けないのか…。悔しいです。
やられました。
最終的には分かりましたが,時間がかかりすぎました。完全に修行不足です。
for 〜 の部分は to 不定詞の意味上の主語 だったのですね…。
分かったときにはスッキリしましたけど,悔しいですね。すぐに処理できなくては,英検1級には程遠いです。
that 節の主節がすぐに it must first be a discipline. だという点に気付けばよかったのですが,ピリオドまで読み終わる前にあれこれ悩んでしまったのも反省です。
富田先生の一番最初の原則が身に沁みます。
英文は,まずピリオドまで目を通してから読解作業にかかること。決して一部だけで何かを考えてはいけない。
富田の読解の原則 1/100
ピリオドまで読んで,後半部分が主節だと分かれば,前半部分(for から pleasure まで)は修飾語句(Ⓜ)になるのだから,for〜 を意味上の主語にした to 不定詞の副詞的用法以外ありえないのです。
そして,文頭で使われる副詞的用法は「目的」か,「条件」ですが,条件は訳ですぐに分かります。有名な例文が “To hear him speak English, you would take him for an American” ですね。
なので前半部分を副詞的用法「目的」で取ると「文学を読むことが,ever 習慣と喜びにするために」となります。
ever はいろいろな訳し方があるし,単に強調としてあえて訳さないでもいいでしょうけど,辞書にあるように「いつか・いずれ」として「文学を読むことを,いつか習慣と喜びにするためには」としました。
そのためには it = reading literature (文学を読むこと)は最初は訓練・鍛錬でなければならない。
はい,おっしゃる通りでございます!
ペンギンも学生時代に英語の事実についての勉強,たとえば文法や語法など英語の読み方についてのお勉強を怠った結果,今更アラフォーにして英語を読む訓練・鍛錬をしているということです。
そして今日の訓練でも,また to 不定詞の意味上の主語を取り損ない,悔しい思いをしたのです。日々鍛錬ですね。
【ボキャブラリ】語句まとめ
- fundamental【形】基本的な・根本的な・根底をなす
- critic【名】批評家・評論家
- come down to〜 【動】(結局)〜になる・〜に帰着する・〜に行き着く
- ultimately【副】最終的に
- obligation【名】職務・職責・義務・責務
- subject 【名】教科
- discipline 【名】鍛錬・訓練・しつけ
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