In the age of abundance, the apparent availability of virtually all material necessities tended to lead people to expect speedy gratification of their desires and to have little sense of the length of time over which people in other times and places had had to wait in order to have some of their more basic material needs satisfied.
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【第1文】文構造を分析してみた
(Ⓜ In the age of abundance), Ⓢ the apparent availability <Ⓜ of virtually all material necessities> Ⓥ tended to lead Ⓞ people Ⓒ to expect speedy gratification <Ⓜ of their desires> and Ⓒ to have little sense <Ⓜ of the length of time><Ⓜ over which ⒮ people <Ⓜ in other times and places> ⒱ had had to wait (Ⓜ in order to have some of their more basic material needs satisfied)>.
[訳してみた]
(ものが溢れている時代において)一見すると,ほぼ全ての物質的な必需品が手に入るので,人々は自分の欲求がすぐに満たしたいと思いがちで,<<別の時代や場所の>人たちが(基本的な物質的ニーズが満たされるために)待たなければならなかった>時間の長さの感覚をほとんど持っていない傾向にある。
[気をつけたところ]名詞構文・無生物主語・of の格判断
the apparent availability of virtually all material necessities という部分が主節の主語なのですが,ここには,ペンギンが勝手に「和訳の三種の神器」と呼んでいる3つのポイントがあります。
① 名詞構文 :名詞を動詞化して訳す
② 無生物主語:原因・理由・条件・譲歩など副詞的に訳す
③ of の格判断:主格か目的格かを決めて訳す
以上の3つが和訳の三種の神器です。
まず,availability という名詞ですが,さっそく三種の神器の二つを使います。① 動詞化した上で,② 副詞的に訳してみます。
「手に入ること」を動詞化して「手に入る」とし,それを副詞(理由)的に訳すと「手に入るので」となります。
ここでポイントは,名詞を動詞に変えたのだから,名詞にかかっていた apparent という形容詞も,動詞にかかるように副詞に変えるという点です。つまり,apparent という形容詞を apparently という副詞に変えて,「一見すると手に入るので」とします。
そしたら,三種の神器最後の一つは「of の格判断」です。
シンプルに 主格か目的格かどちらか なので,難しく考える必要はありません。of〜 の部分を主語で訳すのか目的語で訳すのか,どちらが自然な訳ができるか決めるだけのことです。
「 一見すると,ほぼすべての生活必需品 が 手に入るので」というのが自然ですね。目的格です。
動詞は tend to lead ⬅ lead 人 to 不定詞〜 は無生物主語で頻出の動詞で「Oに〜する気にさせる/思い込ませる」という意味でSVOCの形をとります。
lead の Ⓒ の部分,すなわち “to expect speedy gratification of their desires” という部分も先程扱った和訳の三種の神器のうち,二つを使います。
まず speedy gratification を動詞化して訳します。
「迅速な満足」という形容詞+名詞で訳すのではなく,「すぐに満足する」という副詞+動詞で訳します。
次に,of の格判断をしましょう。「自分の欲求 が」と目的格でとるのが良さそうですね。
よってこの Ⓒ になる部分は,「自分の欲求がすぐに満たされることを期待させてしまう」という和訳ができそうです。
等位接続詞 and が to have little sense of the length of time をつないでいるので,この部分も Ⓒ になります。
またまた,little sense of the length of time は再び名詞構文ですね。
訳のプロセスは同じです。まず little sense の部分を動詞化させて訳しましょう。
「わずかの感覚」という形容詞+名詞の訳から,「ほとんど感じない・分からない」という副詞+動詞の訳に変えます。(little は副詞だと「ほとんど〜ない」という否定で訳しますので,注意しましょう)
次に of の格判断です。今回も目的格がよさそうですね。「時間の感覚がほとんど無い」となります。
over which から後ろは time の補足説明です。in order to + have + O + 過去分詞(Oを〜してもらう・される)という組み合わせ。よって訳は「基本的な物質的ニーズが満たされるために」となります。
訳は「基本的な物質的ニーズを満たすために他の時代や場所の人々が待たなければならなかった時間の感覚がほとんどない」となります。
【ボキャブラリ】語句まとめ
abundance 【名】豊富・過多・生活の豊かさ
apparent【形】一見の・ぱっと見の・明白な ⇔ 【副】 apparently – 一見すると
virtually【副】事実上・実質的には・ほとんど
necessity【名】必需品・必要性
lead + O + to不定詞〜【動】Oを〜する気にさせる・思い込ませる
gratification【名】満足すること・満足感
speedy 【形】早い・即時の ⇔ 【副】speedily – 早く・即時に・すぐに
material 【形】物質の
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