[1] Today the scale of Western European pet-keeping is undoubtedly unique in human history. It reflects the tendency of modern men and women to withdraw into their own small family unit for their greatest emotional satisfactions. [2] The fact that so many people feel it necessary to maintain a pet for the sake of emotional completeness tells us something about the present-day society in which we live.
福岡大学
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【第1文】文構造を分析してみた
(Ⓜ Today) Ⓢ the scale <Ⓜ of Western European pet-keeping> Ⓥ is (Ⓜ undoubtedly) Ⓒ unique (Ⓜ in human history). Ⓢ It Ⓥ reflects Ⓞ the tendency <of modern men and women> <to withdraw into their own small family unit> (for their greatest emotional satisfactions).
[訳してみた]
今日,<西ヨーロッパのペット飼育の>規模というものは,(人類の歴史の中でも)(疑いの余地なく)他に類を見ないくらいです。それは,<現代の人々には,男性女性に関係なく>(感情が最大限満足することを求めて)<小さな自分の家族という単位のなかに閉じこもろうとする>傾向があることを映し出しています。
[気をつけたところ]
ペンギンはやっぱり名詞構文の日本語訳が苦手です。
名詞構文は,英語ならではの表現だから,和訳が難しい。
前回も書きましたが,「名詞構文」とは名詞を中心にしたかたまり(名詞句)が節をコンパクトに表す,というものでした。
簡単な例で復習すると,「彼は料理が上手です」を英語で表現すると,ペンギンは “He cooks well” という表現しか思いつきませんが,実は “He is a good cook” という名詞構文も同じ意味を表す,自然な表現なんですよね。
ペンギンはどうしても「彼は良いコックさんです」という意味に取れてしまって仕方ないのですが,ここが日本語と英語の違いということなのでしょうか。
a good cook という名詞句が cooks well という動詞の意味も表している。…むむむ。
これをなかなか受け入れられないのは,good という形容詞を well という副詞で訳すという荒業に原因があるようにペンギンは個人的に感じています。
しかしこれこそ名詞構文の和訳のポイントなのでしょう。
富田の読解の原則にもこう書いてあります。
英語の名詞を和訳する場合には,必要に応じて述語表現(動詞・形容詞など)に なおしてよい。
富田読解の原則 25 /100
富田先生の原則には名詞を述語表現に変えて訳してよい,とありますが,名詞に限らず必要に応じて,副詞を形容詞で訳したりしたっていいでしょう。
だから今回の “for their greatest emotional satisfactions” という部分も,「最大の感情的満足のために」ではなく,「感情が最大限満足することを求めて」といった風に意訳をしてみました。
greatest という形容詞を副詞的にとって「最大限に」という訳,emotional という形容詞を名詞的にとって「感情が」という訳,satisfactions という名詞を動詞的に解釈して「満足する」という訳をそれぞれ与えてみました。
主節の目的語である tendency も文法上は名詞ですが,和訳では単に「傾向」ではなく,「〜しようとする傾向があること」というように意味を少し補って意訳してみました。
名詞構文の和訳,品詞に縛られて苦手意識を持っていましたが,最近英語らしさを感じられておもしろい気がしてます。
【第2文】文構造を分析してみた
Ⓢ The fact {同格 that ⒮ so many people ⒱ feel 仮⒪ it ⒞ necessary 真⒪ to maintain a pet (Ⓜ for the sake of emotional completeness)} Ⓥ tells Ⓞ us Ⓞ something <Ⓜ about the present-day society> <Ⓜ in which we live>.
[訳してみた]
【訳】{多くの人は(感情が満たされるためには)ペットを飼うことが必要だと感じているという} 事実は,私たちに <今私たちが生きる><現代の社会に関する>何かを教えてくれます。
[気をつけたところ]
the fact の後ろ that 節は完全文なので,名詞節で the fact と文法上は同格,訳す時は形容詞節のようにthe fact にかけて訳す。これはもう何度も出てきてマスターしました。
that 節内の形式目的語/真目的語の it to 構文も簡単簡単。問題なし。
for the sake of は訳し方なかなか覚えられない熟語。いくつか訳がありますよね。ただ本当によく見かけるのでそろそろ意味を覚えたい。「〜のために」ですね。
in which という前置詞+関係代名詞。もう苦手意識は薄れました。
【ボキャブラリ】語句まとめ
- scale 【名】規模
- pet-keeping 【名】ペット飼育
- undoubtedly【副】疑う余地なく・明らかに
- unique 【形】他に類を見ない
- tendency to不定詞〜【名】〜する傾向
- withdraw into〜 【動】〜中に閉じこもる・引きこもる
- for the sake of〜 【副】〜のために
- completeness 【名】完全であること,満たされていること
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