[1] Foreign language instruction should come early in the educational process, basically at the elementary level. This is because it can serve as a fundamental shaper of the child’s perception of the world. [2] It can help him accept the fact that there is much in the world that differs greatly from what he sees around him and to which he must learn to adapt himself.
高知大学
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【第1文】文構造を分析してみた
Ⓢ Foreign language instruction Ⓥ should come (Ⓜ early) (Ⓜ in the educational process), (Ⓜ basically at the elementary level). Ⓢ This Ⓥ is [Ⓒ because ⒮ it ⒱ can serve (Ⓜ as a fundamental shaper) <Ⓜ of the child’s perception of the world> ].
[訳してみた]
【訳】外国語教育は(教育課程の早いうちに)(基本的に初等段階で)行われるべきです。[外国語教育が(子どもの世界に対する認識を根本的に形成する)機能を果たしうるから]です。
[気をつけたところ]名詞構文・対象を表す前置詞of
名詞構文が上手に訳せません
serve as a fundamental shaper of the child’s perception of the world というところ。そのまま直訳して「こどもの世界の認識の基本的な形成するものとして機能を果たす」ではダメですよね。
言いたいことはわかります。でも,和訳しろと言われると時間がかかってしまう。
言いたいことは何となく分かるけど訳しづらい英文はだいたい 名詞構文 と言われるものです。
日本語ではふつう動詞を使って表す内容を,英語では名詞を使って表すことが多いそうなんです。
例えば,「彼は料理が上手だ」と言う場合。日本語では, 彼は/上手に/料理をする といった風に「料理をする」という動詞を中心に考えますよね。だからペンギンはこれを英訳すると He cooks well とするのが一番しっくりきます。
しかし,英語では He is a good cook. というのが自然なんだそうです。 a good cook という名詞のカタマリで「料理が上手」を表すとは…。目の付け所が違うというか,考え方が違うというか,なんかそんな感じがしてしまいます。
だから同様に,She is a good pianist は She plays the piano well と同じ意味だし,He is an early riser だったら,He gets up early と同じ意味で取るんですね。個人的にここが慣れないポイントです。
でも実はここに大切なことがあると思います。
He is a good cook(名詞中心)から He cooks well (動詞中心)に変わった時, good という形容詞が well という副詞に変わっているという点です。
名詞構文は訳す時,品詞そのままで直訳するのではなく,必要に応じて 名詞 ⇔ 動詞 や 形容詞 ⇔ 副詞 などを自由自在に変えながら自然な訳を考えなくてはならないのかなと思うわけです。だから難しくて,訳しづらいとポイントなんだと分かりました。でもここが言葉の違いの面白いところですよね。
さて今回の英文に話を戻すと・・・
a fundamental shaper という名詞のカタマリを,動詞 + 副詞 に変えて考えてみます。そうすると, shape fundamentally となります。「〜の基礎を形作る」という感じでしょうか。fundamentally は「基本的に」を少し意訳して「基礎を」「基本を」としました。
さらに of child’s perception of the world が続きます。
ここも名詞のカタマリなので,名詞構文かな〜と考えました。
でも「子どもの世界に対する認識の基礎を作る」と普通に名詞のまま訳したほうがすんなりといきそうなので,perception は動詞化せずに訳しました。こういうこともあるんですね。
of the world の of だけは注意しました。ここは対象・関連を表す of で「〜に対する」と取りました。対象・関連を表す of は熟語などでも頻出です。忘備録としてまとめておきます。
- be aware of〜 「〜を気付いている」
- be conscious of〜 「〜を意識している」
- be ashamed of〜 「〜を恥じている」
- be ignorant of〜 「〜を知らない」
- be proud of〜 「〜を誇りに思う」
- be in charge of〜 「〜を担当している」
- in search of〜 「〜を求めて」
- hear of〜 「〜の噂を聞く」
- speak ill of〜 「〜の悪口を言う」
- to say nothing of〜 「〜は言うまでもなく」
- accuse A of B 「A(人)をB(行為)のことで非難する」
- convince A of B 「A(人)にB を納得させる」
- inform A of B 「A(人)にB を知らせる」
- remind A of B 「A(人)にB を思い出させる」
- suspect A of B 「A(人)にB(罪)の嫌疑をかける」
- warn A of B 「A(人)にBを警告する」
上のリストはすべて「対象」や「関連」を表す前置詞 of が使われている熟語です。前置詞を理解していない頃「熟語はとにかく暗記するものだ」と思っていました。実際,学生時代にもそう言われたものです。ですが,of が「対象」や「関連」を表すと理解したとたん,暗記するという感覚がなくなり,納得して文中でもサッと意味が取れるようになった気がします。
ペンギンは 「of 名詞」の訳 は警戒するようにしています。格の判断が必要になるからです。そのことについてはまた,その必要があるときに。今回は 対象の of「〜に対する」で解決です。
【第2文】文構造を分析してみた
Ⓢ It Ⓥ can help Ⓞ him Ⓒ accept the fact {同格 that there ⒱ is ⒮ much (Ⓜ in the world) <関代 that differs (Ⓜ greatly) (Ⓜ from [what he sees around him])> and <関代 Ⓜ to which he must learn to adapt himself>}.
[訳してみた]
【訳】それは,{(世界中には)<(自分の周りに見えるものとは)(大きく)異なっていて>,<自分自身をそれに適応できるようにならなければならない>たくさんのことがあるという}事実を,子どもが受け入れるのを手助けできるかもしません。
[気をつけたところ]helpの語法・前置詞+関係代名詞
help の語法 は,① help + 人 + 動詞の原形(原形不定詞)と ② help + 人 + to 不定詞〜 の2パターンに対応できるようにしておかなくてはなりません。
ペンギンは動詞の原形が続く形,未だに慣れません。動詞が2つ続くので違和感を感じます。
動詞の原形が補語になるというのも変な感じがします。使役動詞や知覚動詞でも動詞の原形が補語になりますが,そっちはなぜかすぐ慣れたのに。
あと,原形不定詞っていう言い方も変な感じ。動詞の原形でよくないですか?補語になるってだけで特別な名前を与えてもらってるのも,不正献金する政治家みたいで個人的に好きになれない。
the fact の後ろは that +完全文が続いているので,the fact という名詞と同格を表す名詞節。同格は何度も出てきていますが,文法上は前の名詞と同格ですが,訳す時は形容詞節っぽく直前の名詞にかけて訳します。
there is〜の文 は,〜の部分が主語になります。なので much が 代名詞で主語になっています。意味は「たくさんのもの・こと」 この代名詞を修飾しているのが,that から続く関係代名詞の節 と over which から続く関係代名詞の節。つまり二重限定ということですね。
to which となっているので,前置詞+関係代名詞 という形になっていますが,だからといって何か訳が難しくなったり,訳し方が変わったりはしません。
前置詞+関係代名詞節には次の性質がある
富田の読解の原則 62/100
① 後ろには「完全な文」がある
② 節の先頭にある前置詞は,節の末尾に移動しても同じである
③ 前置詞+関係代名詞自身には,特に訳は必要ない。
④ 前の名詞につなげる場合,「〜という」という言葉をはさむと日本語になりやすい
先行詞は much で「たくさんのこと・もの」でしたね。
これを to which he must learn to adapt himself という関係詞の節に入れてあげて,わかりやすく後ろに戻すと,he must learn to adapt himself to much. という元の説明文ができます。この訳は「多くのことに適応できるようにならなくてはならない」となります。ここの heは一般の子どもを表すので訳しませんでした。
共通部分をwhich に変えると,which he must learn to adapt to. となります。これでもいいのですが,前置詞を文末に残すくらいなら,前に出た関係詞と一緒に前に出してあげなさいよ,という誰かの優しさもあって, to which he must learn to adapt となったのですね。
訳は,「多くのことに適応できるようにならなきゃいけない ➡ 多くのこと」という具合でしょうか。
【ボキャブラリ】語句まとめ
- instruction【名】教育・指示・命令・説明書
- educational process 【名】教育課程
- elementary 【形】初等の
- fundamental 【形】基本的な 【副】fundamentally – 基本的に,基礎を
- shaper 【名】形作るもの 【動】shape – 形作る
- perception 【名】認識 【動】perceive – 気が付く・認める
- much 【代】たくさんのこと。もの
- differ from〜【動】〜とは異なる・違う 【形】different – 異なっている
- adapt + O + to〜 【動】Oを〜に順応させる・慣れさせる
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