[1] Most of our knowledge, acquired from parents, friends, schools, newspapers, books, conversation, speeches, and radio, is received verbally. [2] All our knowledge of history, for example, comes to us only in words. The only proof we have that the Battle of Waterloo ever took place is that we have had reports to that effect.
群馬大学
Contents
【第1文】文構造を分析してみた
Ⓢ Most <Ⓜ of our knowledge, <Ⓜ acquired from parents, friends, schools, newspapers, books, conversation, speeches, and radio>>, Ⓥ is received (Ⓜ verbally).
[訳してみた]
<我々の知識の>ほとんどは,<両親,友人,学校,新聞,本,会話,演説,ラジオなどから身につくのですが,>(言葉を通して)やりとりされます。
[気をつけたところ]カンマ・挿入
acquired は過去分詞の限定用法で前にある名詞の修飾と考えて, knowledge にかけて訳そうとしましたが,過去分詞の直前に カンマ があるではありませんか。
富田の読解の原則にはカンマに関しても記述がありました。これを読むまでカンマに注意を向けたことなかったなぁ。
comma はその「直前の一語」と「直後の一語」が直接結びつかないことを示すだけの記号である。comma の前後で文が大きく切れるとは限らない。
富田の読解の原則 58/100
つまり,直前の名詞である knowledge (あるいは名詞句ととるなら most of our knowledge)に直接かけるのではなくて,別の解釈を考えなさいという意味のカンマなんですね。
だからペンギンが最初に考えた「両親,友人,学校,新聞,本,会話,演説,ラジオなどから身につく我々の知識の大部分は」という訳はちがうよということです。それではどう訳せばいいのか。
文中にcomma が2つあったら,そのあいだをとばして前後をつなげてみる。うまくつながったら,commaにはさまれた部分は挿入である。
富田の読解の原則 15/100
挿入 とは? どう訳せばいいの?
挿入は直前のことの注釈である。文法的には「前と同格」あるいは「全体で副詞」と考えるとよい。
富田の読解の原則 16/100
「挿入とは…」という原則16が,上の原則15の次に出てきます。質問を予測していたかのような富田一彦先生の配置に脱帽。
ということで,注釈のように訳します。カンマがあって,補足的に訳すというところが,関係詞の非制限用法と似ていますね。今回の場合も Most of our knowledge, which is acquired from〜 と関係代名詞の非制限用法で書き換えてもほとんど意味も変わらない気がしますが。
あとは,is received を 「受け取られる」ではなく,「やりとりされる」としたのは完全にペンギンの個人的な好き嫌いです。ポレポレの「伝えられる」もいいですね。我々は知識を受ける側にも与える側にもどちらにもなりうるから,一義的な感じのする「受け取られる」という直訳はちょっと変だなって思っただけです。
【第2文】文構造を分析してみた
Ⓢ All our knowledge <Ⓜ of history>, (Ⓜ for example), Ⓥ comes (Ⓜ to us) (Ⓜ only in words). Ⓢ The only proof <Ⓜ we have> {同格 that the Battle of Waterloo ever took place} Ⓥ is [Ⓒ that ⒮ we ⒱ have had ⒪ reports (Ⓜ to that effect)].
[訳してみた]
例えば,歴史の知識は,(言葉という形でのみ)伝わります。<ウォータールー/ワーテルロー の戦いがあったという><我々が持っている>唯一の証拠は,[(その趣旨の)報告があるということ]です。
[気をつけたところ]onlyの訳・関係詞節と同格節による(二重)限定
only って地味に訳すの難しくないですか?
たぶん,超基本なんでしょうけど,ペンギンはこの only という単語の訳が苦手です。
形容詞のときもあれば副詞のときもあるし,「〜だけ」とか「〜に過ぎない」とか。倒置形もありますよね only recently + 倒置〜 みたいなやつ。
今回も「言葉という形でのみ伝わる」のか「言葉という形でないと伝わらない」のか,つまり肯定と否定のどちらがここの訳では適切かいまだにはっきりわかりません。
まぁ,言葉なんですから,一人ひとり受け取り方も違いますよね。
only の話題はここまでにして。
The only proof we have that S’+V’〜 というところ。
ここは簡単でした。名詞の直後の節(S’+V’)は 関係代名詞目的格の省略ですね。補うと The only proof which we have です。
後ろの that 節が完全文なので,that は名詞節を作る接続詞と識別できます。ここで名詞節出されても困りますね。だって前に proof という名詞がありますから。よって,この名詞節は前の名詞,proof と同格と考えるしかないですね。
同格は,文法上は前にある名詞節ですが,訳す時は形容詞節っぽく前にある名詞にかけて訳すことがほとんどです。
proof という名詞には,① the only ② we have ③ 同格のthat節 と3つも修飾語句がかかっているのですね。 ① の the only はさておき,② の関係詞節と ③ の同格節による限定は「二重限定」と言うのか,言わないのか知りませんが,何重にも限定されても,冷静に正確に読みたいものです。
最後に to that effect という熟語。これは調べました。
どうやら契約書とかによく出てくる熟語だそうで。「その趣旨の・その旨の・といったような意味の」ということみたいです。「ワーテルローの戦いの戦いがありましたよ〜っていう趣旨のレポート」という感じだそうで。初めて見た表現でした。
コメント
[…] 例題35(群馬大学)等位接続詞・語の言い換え・関係詞・名詞節のthat […]