ポレポレ34 – 東京学芸大学

ポレポレ

[1] A puppy raised apart from other dogs will know how to bark when he gets old enough, but the few children we know of who grew up without human contact grew up almost mute. [2] Babies in understaffed foundling hospitals, who see very little of older people, are said, except for crying, to be almost silent.

東京学芸大学

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【第1文】文構造を分析してみた

A puppy <Ⓜ raised apart from other dogs>will knowhow to bark (Ⓜ when he gets old enough), but Ⓢ the few children <Ⓜ we know of> <Ⓜ who grew up without human contact>grew up (Ⓜ almost)mute.

[訳してみた]

【訳】<他の犬と離されて育てられた>子犬も,歳を取れば吠え方が分かるだろうけれど,<人との接触なしに育った><我々の知っている>数人の子どもは,ほとんど無口の大人になってしまった。

[気をつけたところ]疑問詞 + to不定詞〜・二重限定

犬と人間の対比の文章です。等位接続詞 but が 節と節を繋いでいます。

「子犬は他の犬と隔離されて育っても how to bark を知っているだろう。」

how to bark は 疑問詞 + to不定詞〜 で「どうやって吠えるか ➡ 吠え方」という訳になります。これは理解していたので,問題ありませんでした。富田の読解の原則にはシンプルにまとめられています。

疑問詞 + to不定詞〜 はひとまとまりになって句を作る。その性質は,
① 全体で名詞の役割をする
② 疑問詞の意味 +「〜したらよいか・すべきか」と訳す
③ この句内部の文型は先頭の疑問詞の性質に従う

富田読解の原則 61/100

例えば I don’t know に続く名詞句として…

  • what to say「何と言うべきか」
  • who(m) to ask 「誰に聞いたらいいか」
  • which book to choose 「どっちの本を選んだらよいか」
  • when to start 「いつ始めるべきか」
  • where to go「どこへ行くべきか」
  • how to get to the station 「どうやって駅に行くべきか ➡ 駅への行き方」

さて,第1文で悩んだのは,but から後ろの部分です。

後半部分では,the few children (数人の子どもたち)という先行詞に対して < we know of > という関係代名詞の省略された節と,< who grew up without human contact > という関係代名詞の節が続いています。

the few children という1つの先行詞に対して,関係代名詞の節が2つあるので,こういう形を「関係詞による 二重限定 」と言うようです。

二重限定をする時は,関係詞の節と節の間に等位接続詞(andやbutなど)がないことが多いので,パッと読んだだけだと二重限定に気が付かないことがあるので要注意なのですが,仮に気が付かなくても,読んで違和感は覚えると思います。

今回もペンギンは危うく,we know of who でひとまとまりかな〜とか考えてしまい,何となく意味は分かるからいいやって気になってしまったのですが,これでは勉強にならないと思って考え直しました。

そもそも,前置詞+関係代名詞の時は who は使用不可ですよね。whom しか使えないはずです。ということは of と who はつながらないということです。なので,we know of と who grew up without human contact という2つは分けて考える以外ありません。

know of〜 は「〜を(間接的に)知っている・聞いている」という意味。of の後ろの目的語が抜けていますから,不完全文です。ということは,目的格の関係代名詞の省略があって,省略を補うと,who(m) we know of ですよね。これが1つ目の関係代名詞節です。その後にも関係代名詞節が続いて,二重限定という現象が起こっているんですね。

細かく調べたらスッキリしましたが,よく考えてみれば,名詞を何回修飾しようが,そんなの話し手の勝手ですよね。全然珍しいことではないと思いました。「Aさんに勧めてもらって ➡ 私が昨日行った ➡ パスタのおいしい ➡ 店 の話なんだけどさ」という日本語だって二重にも三重にもお店を限定してますよね。

【第2文】文構造を分析してみた

Babies <Ⓜ in understaffed foundling hospitals> <Ⓜ ⒮ ,who ⒱ see ⒪ very little of older people>, Ⓥ are said, (Ⓜ except for crying), to be (Ⓜ almost)silent.

[訳してみた]

【訳】<人員不足の孤児院にいる>赤ちゃんは,年上の人に会うことが非常に少なく,泣く時以外はほとんど無言であると言われている。

[気をつけたところ]関係詞の非制限用法

関係代名詞の 非制限用法 なので,先行詞や前の節に対する追加情報を表しますね。

ペンギンはこのカンマのついた関係代名詞が大嫌いでした。高校時代にはついに理解できないまま大学受験に出撃したと記憶しています。社会人になって文法を勉強してからもしばらく苦手意識がありました。しかし,考え方を少し変えたら,その苦手意識は消えました。

苦手意識が消えたキッカケは・・・ ① and + 先行詞 で文を考えてみる ② 補足の部分を,名詞を修飾する形容詞節だと考えるのをやめて,挿入のように「副詞節」だと考えてみる という2つの考え方に変えた,というか変わったことです。

まず「and + 先行詞」で考えてみるようにしています。Babies in understaffed foundling hospitals, and they see very little of older people, とすると厳密には非文法的ではありますが,「そしてこの子どもたちは…」という訳は考えやすいです。

それから2つ目。関係詞の節は文法上は形容詞節です。ですが,非制限・非限定なわけですから,名詞を修飾するのではなく,あくまでも “補足” という挿入の副詞節のようなものだと考えるようになってから,非制限用法の苦手意識は消えました。

【ボキャブラリ】語句まとめ

  • puppy【名】子犬
  • raise 【動】〜を育てる
  • apart from〜【群前置詞】〜から離して・〜を除いて・〜は別として
  • bark 【動】吠える
  • get old 【動】歳を取る
  • few 【形】数人の
  • know of〜 【動】〜を(間接的に)知っている・聞いている
  • grow up + C〜 【動】成長して〜になる
  • understaffed【形】人員不足の ⇔ overstaffed 【形】人員過剰の
  • foundling hospital 【名】孤児院  foundling【名】孤児・捨て子
  • very little 【形】ほとんどない・非常に少ない

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