[1] Today, we do not expect our children to work, either at home or in a factory. They contribute nothing to the economic well-being of the family. They are freer than they have ever been before simply to be children. [2] We see them as the centre of the family, around which the rest of life revolves; we protect them from responsibilities which were forced on earlier generations.
大阪外国語大学(現・大阪大学)
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【第1文】文構造を分析してみた
(Ⓜ Today), Ⓢ we Ⓥ do not expect Ⓞ our children Ⓒ to work, (Ⓜ either at home or in a factory). Ⓢ They Ⓥ contribute Ⓞ nothing (Ⓜ to the economic well-being <Ⓜ of the family>). Ⓢ They Ⓥ are Ⓒ freer (Ⓜ than ⒮ they ⒱ have ever ⒞ been Ⓜ before) (Ⓜ simply to be children).
[訳してみた]
【訳】今日,私達は,家であれ,工場であれ,子どもたちが働くことを期待してはいません。子どもたちが,家計がよくなることに対して貢献することはありません。子どもたちは,(以前よりも)自由に,自然に子供でいることができます。
[気をつけたところ]either と neither の品詞と訳し方
either や neither が何となく苦手です。
either や neither って,ぼんやり理解はしているつもりなんですが,何となく苦手意識がありませんか?ペンギンは何となく苦手です。
そもそも読み方も「アイザー」なのか「イーザー」なのか「ナイザー」なのか「ニーザー」なのか…。どっちでもいいって言われても困りませんか。ペンギンはブラッド・ピットが何かの映画で「アイザー」「ナイザー」で発音していたので,そう読んでいます。
either と neither に対する苦手意識はなかなか消えないのですが,品詞を意識するようになってから少しずつわかってきました。
either も neither も ①代名詞 ②形容詞 ③副詞 ④ 接続詞 の4つの品詞で使われます。品詞を見たら,次に,<1>肯定文 か <2>否定文 かで訳し分けます。
まず ①代名詞 の時を見ていきましょう。
【例文】“Which day is better for you?”(どっちの日が都合がいいですか?)
“Either of days is fine.” または “Either is fine.” (どっちの日でも良いですよ)
注:代名詞 either は単数扱いです。
代名詞用法では either of + 複数名詞〜 または either のみ が代名詞として使われます。
訳は,<1> 肯定文では「〜のうちのどちらか・どちらでも」<2> 否定文では「〜のどちらも(…ない) = neither」という訳になります。
“I don’t like either of the movies.” (どちらの映画も好きじゃない)
= I like neither of the movies.
次に ② 形容詞 の場合です。
【例文】“Which day is better for you?” (どっちの日が都合がいいですか?)
“Either day is fine” (どっちの日でも良いですよ)
形容詞用法では, either + 単数名詞〜 という形で,either が名詞を修飾します。何度もしつこいですが,単数扱いに注意ですね。
訳は,<1>肯定文 なら「どちらか一方の〜・どちらの〜も」 <2> 否定文 のときは「どちらの〜も(…ない)=neither」です。
“I don’t know either movie.”(どっちの映画も知りません)
= I know neither movie.
次に ③ 副詞 の場合です。
【例文】“He won’t go and I won’t, either.” (彼は行かないし,私も行きません)
副詞用法では,否定文の後に続いて,〜, either. という形で使われます。”Me, too.” の 否定文版みたいなところですね。
代名詞と形容詞の用法では either ⇔ neither の言い換えがありましたが,※He won’t go and I will, neither. とは言わないようです。否定の後にわざわざ肯定を続けるのは不自然ですよね。
会話で “I won’t go to the party.” (パーティーには行かない!)と誰かが発言した後に,「私もやめとく」という場合,”I won’t either.” (私も行きません)の言い換えとして,“Neither, will I” や “Me neither” (私も行きません)という形があります。他にも,”Nor do I” は少し古風な言い方,”Me, either.” は非標準だけど日常会話では普通に使われる表現だそうです。”Nor me” もくだけた話し言葉ではあるようですよ。
最後に 接続詞 の用法です。厳密には接続詞は,or や nor の部分なので,either や neither 自体に接続詞の用法はないので,相関接続詞 と書かれている場合もありますね。とにかく後ろに or や nor があるので,判断はすぐできますね。
either A or B は肯定文では「A か B かどちらか」という意味で,「どちらか一方」を表す表現です。否定文では「A も B もどちらも〜ない」という意味になって,neither A nor B と同じ意味になります。
【例文】I left my bag either at home or in the car.
(かばんを家か車の中かのどちらかに置いてきちゃった。)
Either you or Tom needs to be here. (動詞はBに合わせます)
(あなたかトムのどちらかがここにいなきゃいけない。)
neither A nor B は「 A もB もどちらも〜ない」という意味で,両方ともを否定する表現です。[ 否定文 + either A or B ] と同じ意味です。
【例文】He speaks neither English nor Spanish.
(彼は英語もスペイン語も話しません。)
= He doesn’t speak either English or Spanish.
※注:neither A nor B には否定の意味が含まれているので,他の否定語は一緒には使いません
さて,either と neither を頑張ってまとめてみましたが,今回の we do not expect our children to work, either at home or in a factory. という箇所は,後ろに or があるので,(相関)接続詞 の用法ですね。しかも否定文で,「A も B もどちらも〜ない」という意味なので,「家でも,工場でも,子どもが働くとは思っていない」という訳になるのではないでしょうか。
【第2文】文構造を分析してみた
Ⓢ We Ⓥ see Ⓞ them (Ⓜ as the centre of the family), <Ⓜ around which ⒮ the rest of life ⒱ revolves>; Ⓢ we Ⓥ protect Ⓞ them (Ⓜ from responsibilities <⒮ which ⒱ were forced (Ⓜ on earlier generations)>).
[訳してみた]
子どもたちを家族の中心とみなし,そして子どもたちを中心に残りの生活が回っています。つまり,子どもたちを<昔の世代に押し付けられてきた>責任から守っているのです。
[気をつけたところ]前置詞+関係代名詞の非制限用法
関係代名詞に前置詞とかカンマとか付けるのやめて〜
↑のような気持ちを共有できる人いませんか〜?
でも実はそんなに難しくないということが分かりました。
まず,カンマの後に around which と続いているこの部分は, ① 関係代名詞の非制限用法 と ② 前置詞+関係代名詞 が混ざった形ですね。
カンマのついた関係代名詞,『 非制限用法 』から見ていきましょう。(非制限用法は非限定用法とか継続用法とかいろいろ名前がついています。)
非制限用法には2種類あると思っています。というか,勝手に分けています。
1種類目は,先行詞が固有名詞の場合や,先行詞に人称代名詞の所有格(my, your, his, her など)や,this などの指示代名詞がついた名詞を先行詞の場合です。こういったものが先行詞になる場合は非制限用法が用いられます。これは高校で習った記憶があります。
もう1種類が,句や節が先行詞になって情報の追加をするものです。次のようなものです。
(1)I tried to solve the problem, which I found impossible.(その問題を解こうとした + 無理だと分かった。)※ 句が先行詞
(2)He suddenly left the party, which surprised us. (彼は突然パーティーから立ち去った + そのことが私達を驚かせた。)※ 節(文)が先行詞
, which の部分が『追加情報』になっているのが分かるでしょうか。
(1)は逆接(しかし)(2)は順接(そして)という形で情報が追加されています。富田の読解の原則によると,非制限用法には,3種類の接続パターンがあるそうです。
継続用法(非制限用法)の関係詞の主な論理関係は3種類である。
富田読解の原則 89
① A そして B ② A だが B ③ A, というのは B だから
① 順接なのか,② 逆接なのか,③ 原因・理由なのか,のどれで訳すかは,後ろを読んで判断します。今回は,後ろが前置詞+関係代名詞の節になっています。
前置詞がついているからといって,何一つ特別なことはありません。違うことと言えば,関係代名詞の後ろが完全文になることくらいでしょうか。前置詞+関係代名詞自体には訳はありませんから,慌てる必要は全くないんです。関係詞の後ろを読んで,先行詞に① 順接か,② 逆接か,③ 原因・理由か,いずれかの訳し方で情報を追加すれば良いだけです。
さて,先行詞を考えてみましょう。非制限用法では,句や節が先行詞になってそこに追加説明を加えることが多いです。今回も,them という語ではなく,as the centre of the family という副詞句を先行詞にしてみました。そうすると,順接で「そしてその中心の周りを」という形に訳せそうです。
「順接」で訳すので,接続詞 and を使って書き換えてみます。 We see them as the centre of the family and the rest of life revolves around it. (私達は彼らを家族の中心とみなし,そしてその中心の周りを残りの生活が回っている)
うん,うまく書き換えできましたので,この訳でよさそうです。
【ボキャブラリ】語句まとめ
- expect + 人 +to不定詞〜【動】人が〜するのを期待する
- contribute + O to〜【動】〜に Oを寄付する・与える・貢献する
- economic【形】経済的な・お金に関する ≠ economical 【形】(無駄がなくて)経済的な
- well-being 【名】健康な状態・よい状態
- see + O + as〜【動】Oを〜とみなす
- revolve【動】回転する
- force 【動】押し付ける
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