[1] There is general apathy to if not positive distrust of science itself as a search for truth; for, to the ordinary American, science is identified with mechanical inventions. [2] Ask an American to name the greatest scientist of this country and he will very likely reply, “Edison”. As a nation, we respect only the practical application of science and have regard for the efforts of inventors and promoters rather than those of the scientific discoverers.
早稲田大学
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【第1文】文構造を分析してみた
There is Ⓢ general apathy <Ⓜ to (Ⓜ if not positive distrust of science itself)> <Ⓜ as a search for truth>; for, (Ⓜ to the ordinary American), Ⓢ science Ⓥ is identified (Ⓜ with mechanical inventions).
[訳してみた]
【訳】<真理を追求するものとしての><科学そのものに対して(自ら進んで疑うわけではないにしても)>一般的な無感動というものがあります。というのも,(普通のアメリカ人にとって)科学は(機械の発明と)同じだと考えられているからです。
[気をつけたところ]副詞節の省略・共通の目的語・等位接続詞の for・品詞と和訳
共通の目的語ってあり得るの?
最初から見慣れないかたちが出てきて出鼻を挫かれてしまい,困ってしまいます。
apathy (無感動・無関心)の後ろに to があるので,それに続く名詞を探して「~に対する無感動・無関心」としたいのですが,to の後ろに if と続くではありませんか。困りますよ,こういうイレギュラーな形。
if なので,括弧を開きますが,どこで閉じるかはとりあえず後回しにします。
「何に対する無感動なのかな?」と思って探してみると,science とありました。itself は再帰代名詞の強調用法と考えて「科学そのもの」と訳します。
if に戻ります。ここの if not ~ は「~ではないにしても」という表現で,if it is not ~ 「もし~ではないとしても」という 副詞節の 主語 + be動詞が省略された形 で挿入されたものだと考えられ,if not impossible 「不可能ではないにしても」とか if not perferct 「完璧ではないにしても」のような形で,結構よく使われています。他にも以下のような表現をよく目にします。
- if possible 「もし可能ならば」
- if necessary 「もし必要ならば」
- if any「もしあれば・あるとしても」
- if anything 「どちらかと言えば」
- if ever「もし~だとしても」
- if so「もしそうならば」
ということで,if not positive distrust of science itself 「もし科学そのものに対する積極的な不信ではないにしても」という訳にして,ここで括弧を閉じます。
general apathy to に続く名詞も,positive distrust of に続く名詞も,両方とも science itself になっているんですね。
共通の目的語 というんですか。こういうことってあるんですね〜。
等位接続詞の for ってあり得るの?
セミコロンのあとに for, とあるので,今回も前置詞 for に対応する名詞を探します。
でも,”to the ordinary American” は明らかに前置詞句なので,括弧でくくると,うしろは節(S+V)になっています。あれれ〜?と思いながら名詞を探しますが,for につながりそうな名詞は見つかりません。
for につながる名詞がなく,後ろに節が続くということは,この for 自体が「節続詞」ならぬ 等位接続詞の for であると考える以外ほかはありません。
等位接続詞の for は「というのはS’V’〜だから・なので」という意味で,理由を表す節を追加します。because や since や as と違って文頭に置くことはできません。判別のヒントとしては,for の前にカンマやセミコロンを用いることが多いそうです。
英文で名詞で使われていてる語句を日本語訳するときに,動詞や形容詞など,他の品詞で訳してもいいのかな?
ペンギンは高校時代に「直訳あっての意訳だぞぉ,ペンギン君」と耳にタコができるくらい言い聞かされました。
愚直に従った結果,文法の細かな点までこだわれるようになり,文法面での理解は深まったと思います。反面,不自然な和訳になってしまったり,枝葉末節な点にこだわるあまり,自然な和訳をするのに時間とエネルギーがかかるようになってしまいました。
だから社会人になってから,富田一彦先生の読解の原則を読んだときに,大きな衝撃をうけたのが次の原則です。
英語の名詞を和訳する場合には,必要に応じて述語表現(動詞・形容詞など)になおしてよい。
富田読解の原則 25
A of Bという形で of の前後に名詞がある場合,次の方法でofの意味を特定できる。①名詞Aが動詞化できる場合,「BがAする」「Bを(に)Aする」のいずれかで訳す。②名詞Bが動詞化できる場合,「BというA」と訳す
富田読解の原則 44
これらのことを知ってから,英文の品詞通り愚直に和訳するのではなく,その品詞以外の和訳の可能性 も考えることができるようになりました。
その例が,“if not positive distrust of science itself” という副詞句です。「科学自体に対する積極的な不信ではないにしても」という直訳でも問題はないでしょう。しかし,これが自然な日本語かというと,首を傾げてしまいます。
そこで,「不信」という名詞を「疑う」という動詞に変え,「積極的な」という形容詞は「自ら進んで・積極的に」という副詞に変えて訳してみました。
「科学そのものを自ら進んで疑うわけではないにしても」と「科学自体に対する積極的な不信とはいかないにしても」の違いです。自己満足といえば,それまでですね。
【第2文】文構造を分析してみた
Ⓥ Ask Ⓞ an American Ⓒ to name the greatest scientist <Ⓜ of this country> and Ⓢ he Ⓥ will (Ⓜ very likely) reply, Ⓞ “Edison“. (Ⓜ As a nation), Ⓢ we Ⓥ respect (Ⓜ only) Ⓞ the practical application <Ⓜ of science> and Ⓥ have Ⓞ regard (Ⓜ for the efforts <Ⓜ of inventors and promoters>) (Ⓜ rather than those <Ⓜ of the scientific discoverers>).
[訳してみた]
アメリカ人にこの国で最も偉大な科学者を挙げるように頼めば,その人は(恐らく)エジソンと答えるだろう。(一人の国民として)我々は,<科学の>実用的な応用のみを尊重し,(科学的な発見をした人たちよりもむしろ)<発明した人やそれを世に広めた人の>努力に敬意を払います。
[気をつけたところ]
とくになし。以下は基本文法。
name が 動詞で使われていて『(名前などを)挙げる』という意味。ask + 人 + to不定詞〜は『人に〜するよう頼む』 という意味で,第5文型です。
命令文〜 + and + S’V’ は「〜(しなさい・してみなさい),そうすれば」 ※命令文に従った結果を表します。
命令文〜 + or + S’V’ は「〜(しなさい・してみなさい),そうでないと」 ※命令文に従わなかった結果を表します。otherwise も同じ意味を表すことができます。
【ボキャブラリ】語句まとめ
- apathy 【名】無関心・無感動 【語源】a(〜がない)+ pathy(感応) telepathy(テレパシー) / sympathy(同情) / antipathy(反感)
- distrust 【名】不信感・不信用
- search for〜【動】〜を追求する・探す
- for 【接】というのも
- ordinary 【形】普通の・並の
- identify with〜【動】〜と同一視する
- mechanical 【形】機械の
- invention 【名】発明 【動】invent
- name 【動】名前を挙げる
- likely 【副】おそらく 【形】ありそうだ・〜しそうだ :be likely to 不定詞〜 – 〜しそうだ
- nation 【名】国民
- practical 【形】実用的な
- application 【名】応用・適応 【動】apply – 適応する(to〜)・適応される・塗る
- regard 【名】心遣い・配慮・敬意・尊敬(for〜)
- inventor【名】発明家・案出者
- promoter【名】増進者・後援者
- A rather than B 【副】BというよりむしろA
- discoverer 【名】発見者
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