[1] The social experiences and values of the old and the young have always been in conflict; if younger people did not question the advice and beliefs of their parents, little change of ‘progress’ would ever occur. [2] But with the accelerating speed of change in modern times, the conflicts between members of different generations, or between those people anxious to adjust to change and those less inclined to do so, were in danger of becoming more harmful than helpful. [3] Furthermore, the very phrase by which these conflicts are described, the ‘generation gap’, was becoming out of date.
大阪大学
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【第1文】文構造を分析してみた
Ⓢ The social experiences and values <Ⓜ of the old and the young> Ⓥ have always been Ⓒ in conflict; (Ⓜ if ⒮ younger people ⒱ did not question ⒪ the advice and beliefs ), Ⓢ little change <Ⓜ of ‘progress’ > Ⓥ would ever occur.
[訳してみた]
<年寄りと若者の>社会のおける経験と価値観はずっと対立をしてきた。(もし若い人たちが自分たちの親の助言や信念に疑問を持たなければ)‘進歩‘ という点においてほとんど変化が生じないであろう。
[気をつけたところ]等位接続詞・ the + 形容詞
主語の部分にある,等位接続詞 and が何と何をつないでいるのかは常に気をつけるようにしています。毎度のことですが富田の読解の原則を引用します。
等位接続詞の前後には,文法上同じ働きをするものがくる。それを発見するためには以下の手順を踏む。① 等位接続詞の後ろの形を確認する ② 前でそれと同じ形を探す ③ 同じ形になっているもの同士を並列に書き並べる。
富田読解の原則 3/100
and の後ろには values という名詞の複数形があり,and の前には experiences という名詞の複数形があるので,この2つの名詞がつながれていることが分かりました。
毎回毎回よくこんな面倒なことをしているように思われるかもしれませんが,ペンギンは等位接続詞でよく読み間違いをするのです。実は今回も間違えてしまいました。
ペンギンは最初,The social experiences と values of the old and the young が繋がれていると勘違いをして読んでしまい,「社会経験と老若男女の価値観は対立してきた」という経験 vs 価値観のお話だと思ってしまったのです。もしそう取るなら,values の前に the が必要ですよね。小さなことかもしれませんが,英文の内容がわからなくなってしまうときは,いつもこういう小さな読み違いが原因です。
of the old and the young の部分も the + 形容詞 = 「〜な人々」という表現が and でつながれています。the + 形容詞(あるいは分詞) という表現にも気が付かないことがまだまだあります。例えば以下のようなものです。基本的には複数形扱いという点もメモ。
- the old / elderly / aged 【名】お年寄り
- the rich 【名】お金持ち
- the poor 【名】貧しい人々
- the sick 【名】病人
- the dead 【名】死者
- the impossible 【名】不可能なこと
- the unexpected 【名】予期せぬこと
- the injured 【名】けが人
- the accused 【名】被告人
【第2文】文構造を分析してみた
But (Ⓜ with the accelerating speed <of change> <in modern times>), Ⓢ the conflicts <Ⓜ between members of different generations>, or <Ⓜbetween <A>those people <Ⓜ anxious to adjust to change> and <B>those <Ⓜ less inclined to do so>>, Ⓥ were (Ⓜ in danger {同格 of becoming more harmful than helpful}).
[訳してみた]
(しかし<現代における><変化の>スピードが速くなるにつれて),<異なった世代間の>,すなわち A:<変化に適応したい>人々と B:<あまりそうする気になれない>人たちとの間の対立は,{有用というよりむしろ有害なものになるという}恐れがあった。
[気をつけたところ]前置詞句・ 言い換えの or ・人々を表す those
前置詞 with は「〜と一緒に」という同伴のイメージなので,「速くなっているスピードと共に」➡「スピードが速くなるにつれて」という訳にしました。前置詞句(前置詞+名詞)が3つ続きますが,前置詞句は基本的に修飾語句なので( )や < > をつけて,どこを修飾しているのか考えながら処理します。
前置詞も従位接続詞も付いていない名詞( the conflicts )が出てきたので,これを主節の主語とします。 するとまた,between〜 という前置詞句が続きます。
between が出てきてからわけがわからん! or とか and とか those とか何なの〜
最初の between members of different generations は分かったのですが,そこから訳がグチャグチャになってしまいました。 or をまた今回も「または」で訳してしまったことが原因だったと思います。はぁ…。
ここは単なる「あるいは」ではなくて,言い換え「つまり・すなわち」という意味だったのですね。こっちの意味の or で取るの,苦手です。例文をチェック。
This book is on linguistics, or the study of language.(この本は言語学,つまり言葉の学問について書かれています。)
I didn’t know, or didn’t want to know that!(そんなことは知らなかった。いや,知りたいとも思わなかったよ!)
言い換えで使われるときには「カンマ + or 」という形になるのでしょうか?なることが多いのでしょうか?たまたまでしょうか?今回の英文でも or の前にカンマがあることに後から気が付きました。カンマ1つを軽視(無視?)すると大変なことになることを痛感します…。
ということで,or は「つまり・すなわち」という言い換えの意味でした。それが分かると,その後に続く between A and B 「AとBの間で」の形も分かります。<A> が those people anxious to adjust to change で対して <B> は those less inclined to do so ということになります。
those は「人々」の意味を表す those で,those people の people は省略されることが多い。直後に who are… という関係代名詞節が続くことが多いけど,who are は省略されることも多いという特徴があります。今回も <A> では who are が,<B> では people who are が省略されています。人を表現することは日常生活でとても多いので,わざわざ毎回「those people who are〜」なんて面倒で言ってられませんよね。<B> の部分には熟語 be inclined to不定詞〜「〜する気にさせる」が使われています。less が付いているので,<A>と人たちと比べて「そうする気にならない」というのが <B> の人たちだということ。そうするとは当然,変化に適応したいと思うことです。anxious to不定詞〜は「〜したいと強く望む」という意味です。
「be in danger of〜」は「〜の恐れがある・〜の危険に瀕している」というよく見る熟語。 of は同格の of と考えました。
【第3文】文構造を分析してみた
(Ⓜ Furthermore), Ⓢ the very phrase <Ⓜ by which these conflicts are described>, {同格 the ‘generation gap’}, Ⓥ was becoming Ⓒ out of date.
[訳してみた]
【訳】さらに,<これらの対立を表現した>{ジェネレーションギャップという}まさにその表現こそ,時代遅れになりつつあった。
[気をつけたところ] 名詞を強調する very・前置詞+関係代名詞・同格
very が the や this などの限定詞のついた名詞の前に置かれた場合は「まさに〜・〜そのもの」という 強調表現 になります。「まさにそのフレーズこそ時代遅れになりつつあった」という主節に,どういうフレーズか説明した関係代名詞節が続きます。前置詞 + 関係代名詞 の訳が少し取りにくいですが,こういうときは1文を2つの節(主節と従属節)に作り変えてみるとわかりやすいです。
主節:the very phrase was becoming out of date.(まさにそのフレーズは時代遅れになりつつあった)
従属節:these conflicts were described by the phrase.(これらの対立はそのフレーズによって表現された)
従属節が受動態のままだと不自然な訳になってしまうので,能動態の訳に変えて,「これらの対立を表したまさにそのフレーズこそ時代遅れになりつつあった」としました。
すると the ‘generation gap’ という役割を持たない名詞句が余ってしまいます。そこで次の原則を使います。
役割のない名詞の解決法は次の2つ。① 前の名詞と同格 ② being を補って分詞構文を作る ※ただし ②は最後の手段と心得よ。
富田読解の原則 83/100
the very phrase = the ‘generation gap’ で,この部分は同格関係だと考えればよいと思います。
【ボキャブラリ】語句まとめ
- experience【名】経験
- value【名】価値観
- conflict 【名】対立・論争 in conflict 【形】対立して
- question 【動】疑う
- advice 【名】助言 【動】advise – 助言する
- belief【名】信念 【動】believe – 信じる
- progress 【名】進歩・向上・発展
- occur【動】起こる・生じる
- accelerate 【動】加速する accelerating 【形】加速している
- between A and B 【前】AとBの間に(の)
- anxious to 不定詞〜 【形】〜したいと強く望む
- adjust to〜【動】〜に適応する
- be inclined to不定詞〜【形】〜する気になる
- be in danger of〜 〜の恐れがある・〜の危険に瀕している
- harmful 【形】有害な
- helpful 【形】役に立つ・有益だ・有用な
- more A than B 【熟語】BというよりもむしろA
- furthermore 【副】さらに
- phrase 【名】フレーズ・言い回し
- describe【動】表現する・記述する
- out of date 【名】時代遅れ
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