ポレポレ23 – 同志社大学

ポレポレ

In the world of nature there are always compensations. As a country lad, I became familiar at an early age with the farming maxim that “there is never a year when every crop succeeds, nor when every crop fails.” In recent years a farming elite and its advisers have started to assume otherwise. They have been convincing themselves that if they prepare their plans according to the latest scientific knowledge and put them efficiently into practice, success is assured.

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【第1文】文構造を分析してみた

(Ⓜ In the world <Ⓜ of nature>) there Ⓥ are (Ⓜ always)compensations. (Ⓜ As a country lad), Ⓢ Ibecamefamiliar (Ⓜ at an early age) (Ⓜ with the farming maxim {同格 that “there ⒱ is never ⒮ a year <関副Ⓜ when every crop succeeds>, nor <関副Ⓜ when every crop fails>.”})

[訳してみた]

(<自然の>世界には,)常に埋め合わせがある。(田舎の少年として)私は{全ての作物がうまくいくこともないし,全てが失敗することもないという}農家の格言に(早いうちから)慣れ親しんだ。

[気をつけたところ]be familiar with〜 という熟語

ペンギン
ペンギン

be familiar with〜 には be familiar to〜 もあるけど,何が違うの? 今回のような become familiar at〜 ってあるの?

I became familiar at an early age with the farming maxim that… の部分。be familiar with〜(〜をよく知っている・慣れ親しむ)の be の部分は,他にも第2文型を取る動詞のバリエーションが使われることも珍しくないんですね。そういえば,be 以外にもbecome や get などが feel などをよくみかけます。

この熟語は,前置詞も with〜 の時と to〜 の時があって, be familiar to〜 だと「〜によく知られている」という訳になります。これは be known to〜 が「〜に知られている」と訳すのと同じで,to が「矢印 ➡」を表しているので「知られている ➡ 〜に」というイメージから理解しやすいと思います。

正直に言うと,ペンギンは今回の文を読んで「become familiar at〜」という表現もあるのかなぁ?と一瞬思ってしまいました。しかし,少し後ろに「with the farming maxim that …」と続いているではありませんか。at an early age の部分は「若い時に」という副詞句だったのですね。こういう修飾語句に素早く気付いて,それがどこを修飾しているのかをパパッと判断できるようになりたいです。maxim(格言)に続くthat節は完全文の名詞節なので,maxim と同格で,訳すときは「{〜という}格言」といった具合に形容詞節的に訳しました。

【第2文】文構造を分析してみた

(Ⓜ In recent years)a farming elite and its advisershave started [Ⓞ to assume (Ⓜ otherwise )].

[訳してみた]

【訳】(近年では)エリート農民や,農業アドバイザーたちは,(違ったふうに)考え始めている。

[気をつけたところ]otherwise の3つの訳

ペンギン
ペンギン

otherwise って仮定法で「そうでなければ」っていう意味だと思っていたのに。ここでは意味がわかりません。

otherwise といえば「仮定法で習う」という強烈なイメージがあります。例えば次のような文です。

I am busy; otherwise I would go. (私は忙しいです。そうでなければ行くのですが。)

上のような仮定法で使われる otherwise はたしかに高校で習った記憶があります。しかし,otherwise の他の意味を習った記憶は… ないです。たぶん忘れてしまったのでしょう。もっと言えば,仮定法でしか使われないと思っていて,直説法や命令文でも使われると知ったのは最近のことです。

You should write the number down. Otherwise you’ll forget it.(番号を書き留めておきなさい。そうしないと忘れますよ。) 直説法ですね。さらに以下のような意味もあるんですね。

Most people thought it impossible, but Susan thought otherwise. (大半の人はそれは不可能だと思ったが,スーザンはそうは考えなかった。)

This room is small, but otherwise it is good. (この部屋は狭いが,それ以外の点では申し分ない。)

忘備録の意味も込めて,otherwise の3つの意味 を整理しておきます。3つの意味(訳し方)がありますが,共通しているのは「それ以外」というニュアンスです。

① 「そうでなければ」⬅ それ以外の場合は

② 「違ったふうに」 「別のやり方で」⬅ それ以外の方法で

③ 「その他の点では」⬅ それ以外の点では

今回は assume otherwise なので, ② の「違ったふうに」という訳がぴったりでした。differently や in other ways で言い換えてもよさそうですね。言われてみれば,otherwise と other ways って似てませんか?

【第3文】文構造を分析してみた

Theyhave been convincing themselves [Ⓞ that (if ⒮ they ⒱ prepare ⒪ their plans (Ⓜ according to the latest scientific knowledge) and ⒱ put ⒪ them (Ⓜ efficiently) into practice)), ⒮ success ⒱ is ⒞ assured.]

[訳してみた]

彼らは[(もし(最新の科学的知識に応じて)計画を準備して,(効率的に)それらを実行すれば)成功は保証されていると]思い込んできた。

[気をつけたところ]再帰用法

ペンギン
ペンギン

たまに「なんとかセルフ」って出てくるけど,何なの?

動詞 convince の 目的語が themselves になっていますね。これは,主語と目的語が同じときに使われる 再帰代名詞の 再帰用法 と呼ばれる表現で,以下のような熟語がたくさんあります。

  • behave oneself「振る舞う・行儀よくする」
  • come to oneself「我に返る」
  • devote oneself to〜「〜に身を捧げる」
  • dress oneself「服を着る」
  • enjoy oneself「楽しむ」
  • help oneself to〜「〜を自分でとって食べる」
  • keep〜 to oneself「〜を秘密にしておく」
  • kill oneself「自殺する」
  • make a fool of oneself「笑い物になる」
  • make oneself at home「くつろぐ」
  • pride oneself on〜「〜を自慢する」
  • take care of oneself「自分の健康に気をつける」
  • talk to oneself「独り言を言う」
  • say to oneself「自分に言い聞かせる」

They have been convincing themselves that… の時制は現在完了進行形。「動作の継続」を表す表現です。「ずっと自分自身を説得させてきている」という直訳から「言い聞かせてきた」⇒「思い込んできた」という訳ができそうです。

その後に続くthat節は名詞節で convince の目的語(厳密には「間接目的語」)です。すぐに if節が始まるので括弧を開きます。if節の中に等位接続詞 and があるので,直後の put と文法的に対等の語句を探し,put と prepare が繋がれていることを確認します。put into practice (実行する・実施する)という熟語で,if で開かれた括弧が閉じます。that節の大半はif節で占められておりました。

【ボキャブラリ】語句まとめ

  • the world of nature 【名】自然界
  • compensation【名】埋め合わせ・補償
  • country 【形】田舎の
  • lad【名】少年・青年
  • become familiar with〜【動】〜に慣れ親しむ
  • crop【名】作物・農産物
  • succeed【動】うまくいく 【名】success – 成功 【形】successful – うまくいく ≠ successive 【形】連続した
  • fail【動】失敗する 【名】failure – 失敗
  • elite【名】エリート・影響力を持つ人
  • adviser【名】顧問・相談員
  • assume【動】思い込む・決めてかかる・当然だと思う・推測する 【名】assumption – 仮定・憶説・仮説・推測
  • otherwise【副】① そうでなければ ② 違ったふうに ③その他の点では
  • convince + O + that節 【動】Oに〜ということ確信させる
  • prepare 【動】準備する 【名】preparation – 準備
  • according to〜 【群前置詞】〜に従って・〜によると
  • latest【形】最新の
  • efficiently【副】効率的に
  • put + O + into practice 【動】Oを実行する・実施する
  • assured 【形】保証されている 【動】assure A of B– AにBを保証する

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