[1] The assertion that mathematics has been a major force in the molding of modern culture, as well as a vital element of that culture, appears to many people incredible, or at best, an extreme exaggeration. [2] This disbelief is quite understandable and results from a very common but mistaken conception of what mathematics really is.
神戸大学
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【第1文】文構造を分析してみた
Ⓢ The assertion {同格 that ⒮ mathematics ⒱ has been ⒞ <A> a major force <Ⓜ in the molding of modern culture>, as well as <B> a vital element <Ⓜ of that culture>}, Ⓥ appears (Ⓜ to many people) Ⓒ incredible, or (Ⓜ at best), <Ⓜ an extreme> exaggeration.
[訳してみた]
{数学は <B>現代社会の必要不可欠な要素であるだけでなく,<A><現代の文化を形成する>主な原動力でもあるという}主張は,(多くの人にとっては,)信じがたく,あるいは(よく言っても)極端な誇張のように思えるでしょう。
[気をつけたところ]thatの識別 / A as well as B
① that の識別 と ② A as well as B の訳し方が苦手です。
慣れてくれば「assertion の後ろだから同格のthat!」と決めつけても良いんでしょうが,ペンギンはまだそこまで慣れていません。that が出てくるたびにビクッとなります。
that の識別はまず,that の後ろが完全文か,不完全文かを見ます。完全文なら接続詞,不完全文なら関係代名詞の働きをしています。接続詞と識別できたら,こんどは名詞節を作っているか,副詞節を作っているかを見ます。今回は,名詞 assertion に続く名詞節で,「〜という➡主張」と訳せるので,同格の that だと判断できました。
同格かどうかはさておき,A as well as B は 日本語に直す時,「AとBの順番どっちだっけ?」となりませんか? 「AだけでなくBも」なのか「BだけでなくAも」なのか。どっちでもいいという説もあってやきもきしませんか? ペンギンはこういう所はきちんとしてほしいタイプなのです。大昔の話ですが,大学受験でもこの表現のbe動詞を問われる問題が出されたような記憶があります。そこで,ペンギンは以下のように理解しました。
A as well as B の, as well as B の部分は副詞句で「Bと同じように」という意味です。副詞句なので修飾語。つまりBは飾りなので,焦点はAに置かれます。だから訳をするときも,「BだけでなくAも」というようにAに焦点が置かれた訳になる。主語として用いた場合も,動詞は焦点であるAに合わせる。not only A but also B は,「AだけでなくBも」という訳からも分かるようにBに焦点が置かれた表現なので,主語として用いた場合,動詞は焦点であるBに合わせるのです。英語には「end-weight;文末重心」という決まりがあるように,普通は後ろに置かれたものに焦点・重点がおかれるのですが,as well as だけは違うんですね。蛇足ですが,not A but B や either A or B や neither A nor B は全て後ろに焦点なので動詞は B に合わせます。
【第2文】文構造を分析してみた
Ⓢ This disbelief Ⓥ is Ⓒ (quite) understandable and Ⓥ results (Ⓜ from a <very common> but <mistaken> conception <Ⓜ of [what mathematics really is]>).
[訳してみた]
このことを信じようとしないのもよく分かるけれども,信じないのは<[数学の本当の姿]に対する<一般的だけど>が<間違った>理解によるものだ。
[気をつけたところ]等位接続詞がつなぐもの / concept と conception
① 等位接続詞 がつなぐものの見極め方と ② conception of の訳 が難しいです。
and や but の等位接続詞が何と何を繋いでいるのかを気をつけました。富田の読解の原則では次のように書かれています。
等位接続詞の前後には,文法上同じ働きをするものがくる。それを発見するためには以下の手順を踏む。① 等位接続詞の後ろの形を確認する ② 前でそれと同じ形を探す ③ 同じ形になっているもの同士を並列に書き並べる。
(富田読解の原則 3/100)
これはとても大事な原則だと思います。等位接続詞 が出てくるたびに「後→前」と目を動かす癖がつきました。今回の and と but に関しても,and の後ろは results という動詞(現在形)なので,前に戻って is という現在形の動詞と繋がれていると分かるし,but の後ろは mistaken という形容詞なので,前に戻って common という形容詞と繋がれていると分かります。
conception と concept の違いとかも気になってしまいます。この違いを説明してくれと言われてもペンギンはできません。ですが,なんとなくニュアンスが違うことは分かります。concept は「一般的な考え概念」で,対して conception は「個人的な理解に基づく考え方」といった感じでしょうか。もっと納得のいく説明が欲しいです。
conception of what mathematics really is の部分は,what S really is を「数学の本当の姿」と訳しましたが,ポレポレには「本質」と訳されていました。本質の方がいいですね。
【ボキャブラリ】語句まとめ
- assertion 【名】主張 【動】assert – 断言する・断定する・主張する assertive 【形】断定的な
- A as well as B 【接】B同様にAも・BだけでなくAも
- major force【名】主な力 ➡ 主要な原動力 force は単なる「力」だけでなく「暴力」「原動力」「迫力」「影響力」などいろいろな力に使われる。
- vital element 【名】必要不可欠な要素
- appear (to + 人〜) + C 【動】(〜にとっては) Cだと思われる。
- incredible 【形】信じがたい・驚くべきほど素晴らしい
- at best 【副詞句】せいぜい,よく言って
- exaggeration 【名】誇張 【動】exaggerate
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